なぜ、住宅維持管理計画が必要なのか?|港南区 アリキリ|横浜 リフォーム

投稿:常田 豊



なぜ、住宅維持管理計画が必要なのか?|港南区 アリキリ



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1.欧米型住宅維持管理の考え方


欧米では購入された住宅に手を

入れ続け資産価値を高めると言うのが

常識のようですが、


いままでの日本では

「住まいを建てた後はなるべく手を

入れないようにしたい」


と云う考えが強く欧米とはまったく

違った考え方でした。


私は横浜でしかリフォームにかかわっていないので

他地域の詳しい事はわかりませんが、


少なくとも私の仕事エリアの横浜の南部では

リフォームの相談を頂くときに


多くの方が長持ちする良いリフォームではなく

内容を問わず費用の掛からないリフォーム

希望される方が多い様に感じます。


本来、住まいは子供の成長など家庭の

環境の変化に合わせて変え行く

必要があります。


それがリフォームで可能であれば

リフォームで行い、無理な場合には

住み替えると言う事になります。


この考え方が定着している欧米では

自己所有の住宅であっても状況が変われば、


それを売り払い住み替える事を前提に

生活しているので常にリフォームを行い


『住まいを良いコンデションに保っておく』

云う考えられます。


ところがそうした考えがない日本では

ともすれば建ててからなるべくリフォームを


行わないで、行けるところまで住み続けて

ダメになったら建て替えれば良いと言うような

発想になっていたのかも知れません。





2.会社の近くでの事例・・・


私の会社の周辺は京浜急行(不動産)が

30~40年前に開発した比較的ゆったりした


分譲地で横浜の地下鉄、上永谷駅から

徒歩で10分ほど坂道を上った所です。


20~30年前までは子供も多く元気のある

街でしたが、今はすっかり静かな老人の街に

変わってしまいました。


庭付きの大きな家にご夫婦や奥様が

お一人で住まわれている姿を多く

お見かけます。



「屋根の一部が傷んでいるので修理したい・・・」

と言うご相談があった時に・・・


『良い材料でしっかり建ててある家ですから

この際屋根を葺き替えるなど、再生リフォームを

されるお考えはないですか?』とお伺いすると・・・


「いや、息子の代ではどうするかわからないから・・・」


と言うお返事でした。




3.街並みをその街らしく残す・・・


大きな区画の住まいを売ってしまうと、

区画を分割して、そこに小さな家が

建てられます。


そのたびにせっかくゆったりしていた

良い雰囲気の街並みが変わってゆく事は

もったいない気もします。


街並みを残すと言う事はこう言う事だと

感じています。


又、現在は空き家の増加が全国的に

問題になっていて全国ではおそらく

13%になると思われます。


私の住んでいる横浜ですら10%を

超していると聞いています。


これに少子化の問題を重ねると、中古の

住宅を適切にリフォームして使う事が本当に

大事だと思います。


現在、国が進めている

『中古住宅流通活性化事業』

という政策が示しているように


日本も中古住宅の流通を盛んにして

自分の身内でなくても世代をまたいで


有効に住み繫ぐ事が実現出来れば、

その年齢に適した住まいでの生活が


可能になり、以下の様な利便性と、

資産の有効活用になります。


結婚当初は小さな家に住み、

子供が出来たら部屋数の多い家に移り、


子供が独立したらまた適度の大きさの

家に移ると言う様な合理的な考え方です。


この考え方が定着するとご年配のご夫婦が

部屋数が多く庭の広い家に住み


使わない部屋の掃除や大変な庭の

手入れに苦労する必要がなくなります。


又、上記の家に子供の多いご家族が

移り住むとしたら一時だけ必要になる

子供部屋の増築もしなくて済みます。



将来的には間違いなくこの方向に

進んで行くと考えられます。





4.資産としての自宅の活用方法・・・


上記のようにこれからは住んでいる家を

リフォームしながら大事に使って、


次の世代に引き継ぐ事が日本でも

本格的に始まります。


個人の家ですが、ある意味で国民全体の

資産と考え、良質な形で後生につなぐ

と言う考え方です。


又、個人にとっても定期的にリフォームを行い

良好にしておけば、それなりの金額で賃貸も


出来るし、売買の際にも好条件で

取引が出来る事になります。





5.住宅維持管理ではリフォームの記録が重要・・・



住宅リフォーム費用や業者の選び方〜付き合い方@横浜編

写真は当社のリフォーム記録『住まいのカルテ』


上記の話の続きにもなりますが、

リフォームを定期的に行っていても


その記録がないと第三者に証明が

出来ません。


最近は住宅履歴情報という形で

リフォームの記録を残すことが

国の政策でも要求されています。


これによっていつ、どんなリフォームを

どんな方法で行ったかが分かり、


売買の際にも前の家主さんから新しい

家主さんへのリフォーム記録がしっかり

引き継げます。


自慢話になりますが、当社では国の政策が

スタートする何年も前から上記の考えに則り

独自のシステムを作り「住まいのカルテ」


という名称でお客様のリフォームの記録を

残しています。


修理の際の商品名などは内訳書で確認が

出来ますし、施工状況は写真や図面で

確認できるようになっています。


上記の様にリフォームが定期的に

行われている明確な記録があれば


購入される方もとても安心できますし、

当然取引価格も上がると考えられます。


リフォームの記録保存を行っているか

どうかはリフォーム業者を選ぶ一つの

要因として考える必要が出て来ました。





6.住宅維持管理リフォームのメリットと資金計画・・・


現在皆さんがどんな家に住んでいようと

何歳であろうと、これから一生の間に必要な


リフォームの費用と時期を計画する事が

出来ます。

以下の新築の例でご説明します。



例えば35才で新築の戸建て住宅を

購入したと仮定すると、


●築10年目の45才で第1回目の定期リフォーム

費用は・・・200万円


●築20年目の55才で第2回目の定期リフォーム

費用は・・・200万円


●築30年目の65才で再生リフォームを行います

費用は・・・1300万円


●築40年目の75才で第3回目の定期リフォーム

費用は・・・200万円



必要な計画は以上で総費用1900万円です。



中古住宅の場合には築年数と今までの

リフォーム履歴、及び現場の状況を確認して、

上記の様な計画が作成できます。


40年間で必要になるリフォーム費用は

新築の工事代金とほぼ変わりません。


こんなに大きなリフォーム費用が必要

になる事をまずご承知置き下さい。


資金計画に関して私の勝手な意見で

申し訳無いですが、35才から65才までは、


マンションの管理費と同じように強制的に

2万円を定期預金に積立て、

リフォーム費用とします。


65才の再生リフォーム時には不足分が

1100万円になるので退職金で充当します。


しかし、退職金が無い場合もありますので

その際には毎月の積立額を少し増やすとか


再生リフォームを複数回に分けて

複数年で行うなどが考えられます。


その際にどこを優先して行うかなどは

専門家に相談しながら決めて頂けば

良いと思います。


なにしろ金額が大きいですから

その時になって知らなかったとか

準備がないでは済まされないと思います。


新築でも中古でも家を購入したからには

上記の費用が上記のタイミングで


必要なんだなと言う事だけは、

まずは認識することが大事だと思っています。





7.無計画なリフォームが原因の無駄な出費・・・


リフォームはそのメインの部分だけで

完結するとことはほとんど無く、

関連工事が出てきます。


一つの例ですが、雨樋の交換には

安全上足場が必要です。


よって雨樋の交換は外壁塗装で

足場を掛けた際に行うのが合理的で、


雨樋の交換だけで足場を

掛けるのはもったいない事です。



もう一つ例を上げますが、玄関ドアや

窓サッシの交換は外壁補修と

内装の補修が伴います。


よって上記を交換する場合には外壁塗装に

タイミングを併せ且つ、内装のやり替えの件も

考える必要があります。


このように何かリフォームを行う場合には

関連工事があり単発的ではなく、時期を含め


連続的に考える事が大事で、この事は

費用にも影響を与えます。


毎回違う業者さんに頼むような場合には

この辺の相談や考慮が行き届かずに

無駄な事を行うと言う事が充分考えられます。


そこで是非お薦めしたいのが、何かのご縁で

気の合う良心的な業者さんと知り合いになったら


その関係を大事にして継続的なお付き合いを

して欲しいと云う事です。

これが無駄の無い一番効率的で安心な方法です。




8.専門業者と総合業者の違いと使い分け・・・


住宅リフォーム費用や業者の選び方〜付き合い方@横浜編









上の写真は屋根の点検を行う筆者

一般に建物全体に関しての知識は

工務店やリフォーム業者が持っています。


塗装、電気、設備など多くの専門知識は

その専門業者さんが持っています。


どちらが良いとか悪いではなく

担当分野が違うんです。


例えば、外壁の塗装工事で特に

建物全体の点検や確認の必要が


なければ塗装屋さんが行えば良いと

思うのですが10年ごとの塗装の際には


足場を掛けるので建物の全体点検を

行う良いチャンスになります。



屋根の傷み具合や雨樋、板金の納まり

等を確認する事になると工務店や


リフォ-ム屋さんに見てもらった方が

安心です。


逆に内部のリフォームが絡まない畳の

交換や襖の貼り替えなどは専門業者に

直接に頼んでも問題はないと思います。





9.築30年過ぎの建物の設備配管や電気設備・・・


個人的な話ですが私はリフォームを

始める前は横浜で設備会社を

共同経営していました。


私は1級管工事施工管理士という資格を

持っていましたので、主に横浜、川崎を


中心にゼネコンや官公庁の仕事を

行っており、マンションの設備工事の

多く行ってきました。


おかげで今でもマンションリフォームの

際にはその時の経験が役に立ちます。


30年前くらいでしょうか同業の方が

横浜リフォーム研究会を立ち上げたので

参加しないかと誘われました。


横浜リフォーム研究会というのは、

これからはリフォームの時代になるので


今からみんなで研究をして行こう

と言う趣旨の会でした。


そんな縁があったので、現在横浜で

リフォームの仕事を行っています。


何を言いたいのかというと実は私はこれから

お話しする設備に関してはチョツトうるさい

と言う自慢話です。



1975年前後の住宅建築ブーム時期に

建築されたマンションの給水管や排水管の

交換が今、盛んに行われています。


この頃の給水管はVLGPと呼ばれ鉄管の

内部にビニール管が入っていました。



現在、30年以上が過ぎ、継手部分など

弱い部分からの漏水や錆による被害が

出てきています。


排水管も鉄管が使用されている

マンションは錆による排水障害や

漏水が多発しています。


多くのマンションでは修繕積立金に

よって計画的に配管の交換を行っています。


積み立て金が不足している場合には

特別追徴によって行う場合もあるようです。


話のポイントは給水管等の設備配管も

30年程度で寿命になるので交換が

必要だと云う事です。


20年くらい前からはHIVPなどの塩ビ系の

管材が使われだし、最近は架橋ポリ管など


新しい樹脂系の材料が使われているので

少なくともサビや腐食に関しては問題は

少なくなると考えられています。


戸建て住宅でも同様の劣化問題が

起きています。


横浜の場合には屋外の埋設給水管は

ビニール管を使用し、建物内部VLGPを

使用していました


ビニール管は内部からも外部からも

腐食することはなく劣化に関しては


大変優秀ですがVLGPは防蝕テープや

継ぎ手部分にコアーを入れるなど


いろいろ工夫していたのですが

継手内部から錆が発生したり、


埋設部分は土壌の質によっては

簡単に浸食される事があります。



電気設備に関してよほど古い家で

ない限り配線の劣化は問題ないと


思いますが、25年もするとスイッチや

コンセントブレーカーが劣化してくるので

交換が必要になります。


古いマンションでは電気容量が30Aと

少ない所も多いようですが、電気製品の


普及状況から見てもまったく容量不足に

なっています。


中古マンションを購入の際には

電気容量のチェックは最重要項目に

されたらよいと思います。


このように一見メンテナンスの必要の

無さそうな配管や配線も永久に


使える事はなく、30年を一区切りに

更新する必要が有ります。





10.最後に、一番大事なこと・・・



住宅リフォーム費用や業者の選び方〜付き合い方@横浜編








いろいろ述べさせて頂きましたが、

住宅維持管理と言う考え方は一つの


基準で、現実には使える物はなるべく

長く使いたいと考えるのが普通だとい思います。


ただ、この基準的な事を知っていれば

間違った判断で、家を傷めたり


無駄なリフォームをする事は

なくなると思います



家は40年間もの長きにわたって

維持管理が必要な訳ですから


出来るだけ気心の知れた

相性の良い業者さんを見つけて、


長くお付き合いして行くことが

維持管理を成功させる

ポイントだと思います。



最後までお付き合い頂き

ありがとうございました。



一級管工事施工管理技士

2級建築士

マンションリフォームマネージャー

(株)アリとキリギリス

代表取締役 常田 豊


記事タグ:横浜 リフォーム|なぜ、住宅維持管理計画が必要なのか?|港南区 アリキリ









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